浜中養殖ウニとは

ウニの生態系は解明されていない部分が多く、養殖は難しいとされていましたが、北海道東部「浜中町」ではエゾバフンウニの養殖に成功し、「浜中養殖ウニ」としてブランド化が進められています。

浜中養殖の特徴は、色味や、味にばらつきが少ないことが特徴です。ウニは雑食性のためなんでも食べてしまいますが、浜中養殖は地元産の昆布のみを食べさせることにより、安定した品質になります。

浜中町の漁業関係者の9割が昆布量に従事していると言われ、浜中産の昆布自体にも大変価値があります。浜中町は広大な山々や、霧多布湿原から豊富な栄養が海に流れ着き、良質な昆布が獲れます。浜中町の昆布は主に「ナガコンブ」で、釧路〜根室の納沙布岬の太平洋側に生息しており、ウニの身入りに最も適していると言われています。ナガコンブはおでんなどの具材に使用されています。

種苗から出荷まで浜中町

2021年度にはウニの種苗施設である「浜中町ウニ種苗生産センター」が完成し、種苗から出荷まで全て浜中町内で行える体制になりました。浜中町ウニ種苗生産センターでは、5mmまで育てたウニの種苗を年間300万粒出荷しています。

浜中町の霧多布岬

養殖の方法

浜中町ウニ種苗生産センターで5mmまで育てたウニの種苗は浜中町の沖合 (太平洋)で育てられます。養殖用のカゴに昆布を入れて海に沈めると言う方法が取られていますが、まず5mm ~ 15mm程度の稚ウニになるまで育てます。最初は種苗を網目の細かい養殖用カゴで育て、稚ウニが大きくなったら順次網目の大きいカゴに移し替えていき、45mm以上に成長すると、水揚げされ出荷されます。

市場評価の高い浜中産養殖ウニ

豊洲や鮨屋を始め、浜中養殖への市場評価はとても高いです。また、天然エゾバフンウニでは漁獲量が厳しい時期(秋初旬)などは浜中養殖の供給により、豊洲にも安定した入荷ができるようになりました。豊洲にウニの入荷数が少ないと上物は特に取り合いになるため、需要と供給のバランスにより、競りでは何倍も高騰することがありますが、浜中養殖ウニの供給により、一定の安定効果をもたらしました。

浜中養殖ウニを使っているメーカー

EJでは浜中町にある水産会社「浜中 小川水産」、「小川カンパニー (霧多布水産)」、「マルキ平川水産」の3社を取扱っております。浜中養殖ウニが流通するのは9月から翌年4月前頃までで、この時期のエゾバフンウニは北方四島 (天然)、浜中・根室近郊 (天然) になります。時期と入荷状況を考慮し、これら3社のエゾバフンウニは天然または養殖としていますが、養殖指定をご希望の方は営業までお問い合わせください。